親善大使

皆川明

1 top photo Akira Minagawa

プロフィール

オリジナル生地から服を作り上げるブランドminä perhonenを創設したデザイナー。陸上選手を目指していた高校時代に怪我をし、体育大学への進学を断念。旅先のパリでファッションショーの裏方を手伝った経験から服作りに興味がわき、文化服装学院の夜間部に進学。翌年、初めてフィンランドを訪れた。服飾メーカーで3年間経験を積んだ後、魚市場で働きながら1995年にminäを設立(2003年、minä perhonenへ変更)。ミナはフィンランド語で私、ペルホネンは蝶の意味。

 

「私たちは毎日着るもの、毎日着るなかで
喜びがあるものを作りたいと思って
います。それはある意味、フィンランド人
が日々を豊かに楽しく過ごそうとする
気持ちと通じていると思います」

  • 皆川さんが初めてフィンランドを訪れた時に撮影した写真(1~3)。
    ヘルシンキ中央駅でロヴァニエミ行きの電車に乗車。
  • 電車の中で仲良くなった前の席の女の子。
    Photo: Akira Minagawa
  • カイサニエミ公園の池で釣りをする男性。
    Photo: Akira Minagawa
  • フィンランドの家具ブランド「アルテック」が扱うスツール60に、minä perhonenが開発したダブルフェイスの生地「dop」を張った人気商品。使っているうちに表面の生地がすり減り、裏面から別カラーが顔を出す。アルテックとは2008年以来、展示会やコラボ商品などで協力を続けている。

インタビュー

皆川さんのブランドについて知らないフィンランド人がminä perhonenという名前を聞くと、とても驚きます。ブランド名にフィンランド語を使おうと思った理由をお聞かせください。

ブランドを始めたのが27歳で、それまでに何度かフィンランドを訪れていました。独立するにあたってブランド
をつけようとしたときに、自分が愛着のあるフィンランドの言葉にしようと思いました。帝国ホテルの2階にあったフィンランド政府観光局で辞書を借りて、ずっと見ていたら「minä=自分」という単語が目に入ってきました。その言葉が響いたというか、言葉の意味もそうですし、女性的な音にも聞こえ、私の名前と重なるところもあって選びました。Perhonenは、テキスタイルのモチーフになっている蝶からつけました。

初めてフィンランドを訪れたのはいつだったのでしょうか?

19歳のときに初めてフィンランドを訪れました。2月でとても寒くて、電車で向かったロヴァニエミはマイナス35度。僕にはとても厳しい日常に思えたなか、そこで暮らす人々にとても感動したのを覚えています。旅するなかでフィンランド人の優しさにも触れました。食事もままならないバックパッカーでしたので、電車のなかでフィンランド人の家族がお弁当を分けてくれたりしました。
ヘルシンキの港に停泊していた「ヘルガ」という船は、冬場はカフェとして開いていて、僕はお金がないので毎日コーヒーばかり飲んでいたのです。しばらくすると船の方たちが僕を厨房に招いてまかないを食べさせてくれて、短い旅のなかで温かい時間をたくさん過ごし、それ以来フィンランドをとても好きになり、旅を繰り返すようになりました。

今ではフィンランドに降り立つとほっとして、自分の田舎に来たような気持ちになっています。行き慣れたカフェなどで一人ゆっくりする時間が、なぜか日本以上にとても落ち着きます。

とくに印象に残っているフィンランドでの思い出はありますか?

そうですね、まさに今年7月にありました。19歳のときに初めて訪れたロヴァニエミの図書館で、(フィンランド人陶芸家の)ルート・ブリュックの本をたまたま見つけて、素敵だなと思ってスケッチブックに描き写していたんです。そしたらこの間の7月、ルートの娘マーリア・ヴィルッカラの自宅に招かれ、一緒に食事をしました。そこは、ルートと(夫でデザイナーの)タピオ・ヴィルッカラが工房にしていた家でした。ずっとフィンランドが好きで訪ねているうちに、最初の旅とこの間の旅がつながったというのは、とても印象的でした。

長年フィンランドと携わっているなかで、公私ともに影響を受けたことはありますか?

デザインという物質よりも、フィンランド人の暮らし方そのものですね。休暇の過ごし方とか、暮らしのしつらえなど、外に誇示するというよりは、自分たちの心地よさを大事にして、しっかりと追求しているところに共感します。
個人個人違うのでしょうけれど、たとえば日本の場合はお休みの日に「何をしよう
ってなる。フィンランドの人は何もしない場合にも、それをきちんと選択しているなと感じます。そのマインドをしっかりと持っているのはよいことだと思います。

皆川さんのデザインの哲学が、何らかの形でフィンランド人のメンタリティーを反映しているということでしょうか?

私たちは毎日着るもの、毎日着るなかで喜びがあるものを作りたいと思っています。それはある意味、フィンランド人が日々を豊かに楽しく過ごそうとする気持ちと通じていると思います。たとえばヘルシンキのエスプラナーディ通りで小さなライブが始まると、そこにパーッと人が集まるという…大げさではなく、ちょっとしたハプニングをみんなが楽しむというのは、とてもいいことだと思います。

2019年には日本フィンランド外交関係樹立100周年を迎えます。デザインの観点から、両国の関係はどのように発展すればよいと思われますか?

日本とフィンランドはお互いに理解し合えるマインドがあると思っています。(日本人が)マリメッコやイッタラ、アルテックなどのデザインを自然と心地よいと感じて取り入れているように、すでに土壌はあると思います。今後さらにお互いのものづくりが意識的につながりをもって、それがデザイナー同士のつながりとしても深まっていければよいと思っています。

今までもハッリ・コスキネンとイッセイ ミヤケのような、それぞれの国を代表するブランドが強いコネクションを持ってコラボレーション作品を出しています。そういったことがより強化されれば、今後さらに良い関係になっていくのではないかと思います。

私たちはテキスタイルをやっていますから、フィンランドのテキスタイルブランドとお互いのよいところを結び付けて具現化する機会があればとも思いますし、引き続きアルテック社とはお互いの得意なことをつなげていきたいと思っています。個人的にはガラスが好きなので、イッタラともできたらいいなと思っています。

私たちのブランドだけではなくて、日本のクリエイターがフィンランドブランドのデザインをしたり、フィンランドのクリエイターが日本の伝統工芸を使ってモノづくりをしたり、そういったことは、もっとできるだろうと思っています。

インタビュー

皆川さんのブランドについて知らないフィンランド人がminä perhonenという名前を聞くと、とても驚きます。ブランド名にフィンランド語を使おうと思った理由をお聞かせください。

ブランドを始めたのが27歳で、それまでに何度かフィンランドを訪れていました。独立するにあたってブランド
をつけようとしたときに、自分が愛着のあるフィンランドの言葉にしようと思いました。帝国ホテルの2階にあったフィンランド政府観光局で辞書を借りて、ずっと見ていたら「minä=自分」という単語が目に入ってきました。その言葉が響いたというか、言葉の意味もそうですし、女性的な音にも聞こえ、私の名前と重なるところもあって選びました。Perhonenは、テキスタイルのモチーフになっている蝶からつけました。

初めてフィンランドを訪れたのはいつだったのでしょうか?

19歳のときに初めてフィンランドを訪れました。2月でとても寒くて、電車で向かったロヴァニエミはマイナス35度。僕にはとても厳しい日常に思えたなか、そこで暮らす人々にとても感動したのを覚えています。旅するなかでフィンランド人の優しさにも触れました。食事もままならないバックパッカーでしたので、電車のなかでフィンランド人の家族がお弁当を分けてくれたりしました。
ヘルシンキの港に停泊していた「ヘルガ」という船は、冬場はカフェとして開いていて、僕はお金がないので毎日コーヒーばかり飲んでいたのです。しばらくすると船の方たちが僕を厨房に招いてまかないを食べさせてくれて、短い旅のなかで温かい時間をたくさん過ごし、それ以来フィンランドをとても好きになり、旅を繰り返すようになりました。

今ではフィンランドに降り立つとほっとして、自分の田舎に来たような気持ちになっています。行き慣れたカフェなどで一人ゆっくりする時間が、なぜか日本以上にとても落ち着きます。

とくに印象に残っているフィンランドでの思い出はありますか?

そうですね、まさに今年7月にありました。19歳のときに初めて訪れたロヴァニエミの図書館で、(フィンランド人陶芸家の)ルート・ブリュックの本をたまたま見つけて、素敵だなと思ってスケッチブックに描き写していたんです。そしたらこの間の7月、ルートの娘マーリア・ヴィルッカラの自宅に招かれ、一緒に食事をしました。そこは、ルートと(夫でデザイナーの)タピオ・ヴィルッカラが工房にしていた家でした。ずっとフィンランドが好きで訪ねているうちに、最初の旅とこの間の旅がつながったというのは、とても印象的でした。

長年フィンランドと携わっているなかで、公私ともに影響を受けたことはありますか?

デザインという物質よりも、フィンランド人の暮らし方そのものですね。休暇の過ごし方とか、暮らしのしつらえなど、外に誇示するというよりは、自分たちの心地よさを大事にして、しっかりと追求しているところに共感します。
個人個人違うのでしょうけれど、たとえば日本の場合はお休みの日に「何をしよう
ってなる。フィンランドの人は何もしない場合にも、それをきちんと選択しているなと感じます。そのマインドをしっかりと持っているのはよいことだと思います。

皆川さんのデザインの哲学が、何らかの形でフィンランド人のメンタリティーを反映しているということでしょうか?

私たちは毎日着るもの、毎日着るなかで喜びがあるものを作りたいと思っています。それはある意味、フィンランド人が日々を豊かに楽しく過ごそうとする気持ちと通じていると思います。たとえばヘルシンキのエスプラナーディ通りで小さなライブが始まると、そこにパーッと人が集まるという…大げさではなく、ちょっとしたハプニングをみんなが楽しむというのは、とてもいいことだと思います。

2019年には日本フィンランド外交関係樹立100周年を迎えます。デザインの観点から、両国の関係はどのように発展すればよいと思われますか?

日本とフィンランドはお互いに理解し合えるマインドがあると思っています。(日本人が)マリメッコやイッタラ、アルテックなどのデザインを自然と心地よいと感じて取り入れているように、すでに土壌はあると思います。今後さらにお互いのものづくりが意識的につながりをもって、それがデザイナー同士のつながりとしても深まっていければよいと思っています。

今までもハッリ・コスキネンとイッセイ ミヤケのような、それぞれの国を代表するブランドが強いコネクションを持ってコラボレーション作品を出しています。そういったことがより強化されれば、今後さらに良い関係になっていくのではないかと思います。

私たちはテキスタイルをやっていますから、フィンランドのテキスタイルブランドとお互いのよいところを結び付けて具現化する機会があればとも思いますし、引き続きアルテック社とはお互いの得意なことをつなげていきたいと思っています。個人的にはガラスが好きなので、イッタラともできたらいいなと思っています。

私たちのブランドだけではなくて、日本のクリエイターがフィンランドブランドのデザインをしたり、フィンランドのクリエイターが日本の伝統工芸を使ってモノづくりをしたり、そういったことは、もっとできるだろうと思っています。

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